いたばしクリニック

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こどものおなか(胃、腸①)

Medical

肥厚性幽門狭窄症

生後2週間頃から2か月頃の赤ちゃんで、嘔吐が続く場合に肥厚性幽門狭窄症を疑います。胃の出口にある幽門という部分の筋肉が厚くなってしまうことで、哺乳したものが胃から流れなくなり、嘔吐を繰り返してしまいます。この疾患は超音波検査で診断が可能です。診断が遅れると脱水で全身状態が悪くなったり、体重が増えなくなったりしますので、早期に診断することが大切です。

呑気症(どんきしょう)

生後すぐから6か月くらいの乳児に多く、おなかが張り、嘔吐が続くことがあります。哺乳時に母乳やミルクといっしょに空気を飲み込みすぎてしまうことが原因です。超音波検査や腹部単純X線写真で診断することができます。哺乳時に体位などを工夫することにより、症状を改善させることができます。

便秘症

こどもの腹痛で、最も多いのが便秘症です。『便が出ていない』という症状からも診断することはできますが、超音波検査や単純X線写真といった画像検査を行うことで、おなかのどの部位にどれくらいの便がたまっているのかを評価することができます。画像検査は治療効果の判定にも有用で、便の残り具合でお薬の量を調節したり、お薬の種類を変更したりします。こどもではまれですが、おとなの場合は、できもの(腫瘍)により腸が狭くなって便秘症となる場合もありますので、症状が続く場合は、医療機関の受診をお考えください。

IgA血管炎

幼児から小学生がなりやすい病気です。以前はアレルギー性紫斑病と呼ばれていましたが、原因が血管の炎症であることが分かり、現在はIgA血管炎という病名になっています。両足に紫斑と呼ばれる紫色のアザができるのが特徴的で、腹痛もしばしばみられます。足に紫斑がみられれば診断は難しくないのですが、紫斑がはっきりしない場合もあり、この場合は、原因不明の腹痛として診断が遅れることがあります。超音波検査は診断に有用で、小腸という部分の壁が全体に厚くなります。IgA血管炎の合併症として腸重積という病気があるため、腹痛がみられたら必ず超音波検査を行って、腸重積が起こっていないかを確認する必要があります。

虫垂炎

『盲腸』と呼ばれることもある『虫垂炎』ですが、多くの場合、急におなかが痛くなる『急性虫垂炎』が一般的です。しかし、腹痛を繰り返す『反復性虫垂炎』や、長い間腹痛が続く『慢性虫垂炎』という状態もあります。こどもの虫垂炎は、多くの場合、超音波検査のみで診断が可能です。超音波検査は放射線を使わない検査ですので、何度でも安全に行うことができます。

腸重積

『腸重積』は、生後6か月頃から2歳くらいまでの子がなりやすい病気で、1歳前後で多くみられますが、3~4歳でも時々みられることがあります。腸が腸にはまり込んでしまうことで、『腹痛』が生じます。『おなかいた』を訴えることができない年齢では、『不機嫌』や『激しく泣く』という症状になります。病気の最初は、腸がはまり込んだり、元に戻ったりという状態を繰り返すため、痛くなったり、痛みがましになったりという状態が繰り返されます。専門用語では、この状態を『間欠的(かんけつてき)腹痛』といいます。時間が経過すると、やがて、はまり込んだ腸は元に戻らなくなります。

寄生虫

『寄生虫』は、イカなど魚介類に潜んでいる『アニサキス』が有名ですが、それ以外にもたくさんの種類があります。海外生活歴や海外旅行歴がある場合や、加熱が不十分な生物を摂取した場合などは、『寄生虫』感染の危険性があります。『アニサキス』は、強い腹痛を生じるため、食事内容から『アニサキス感染』の可能性を考えることができますが、その他の寄生虫では、『持続的な腹痛』や『体重の増えが悪い』など、寄生虫特有の症状ではないこともあり、積極的に疑わなければ、なかなか正確な診断にたどり着かないこともあります。

胃軸捻転

メッケル憩室

若年性ポリープ